総括。

今更になって総括も何もあったもんじゃないかと思いつつも
やはり語らずにはいられない。


個人的には初日で終わったと叫んでいたにもかかわらず
最後の最後まで本気で楽しませていただいた。
五輪の後特有の毎日のテレビが全く楽しくない現象が
今回も自分の中で発生している。
この事実こそがその証拠なんだろう。


なかなか見る機会のない競技への興味と世界一流のプレーを見る愉しみ。
今回も恐らく全競技を少しなりとも見たのではないだろうか。
その中で本当に面白いと思える競技に出会えたこと。
それこそがトリノを振り返った時最大の収穫と言える。


1つ目の収穫はスノーボードクロス
純粋に競技としての発展の可能性を強烈に感じずにはいられなかった。
目まぐるしく変わる展開、スノーボード特有のスピード感、
基準のはっきりしない採点だらけの冬季五輪の中で
「誰が一番強いかはっきりしたらええんや」と
一発勝負で決まる分かりやすさ。
これで面白くなかったらおかしいでしょう。
今後CSでもいいから中継の機会が増えてくれないだろうか。


そして、2つ目にして最大の収穫はカーリングである。


ただ、こちらの場合は正確には再認識しただけかもしれない。
元々うっかり出来なんてひどいと分かっていても
カーリングのゲームなぞを買ったこともある筆者にしてみれば
予選リーグの星を追いかけることも中継を見る機会を窺っていたのも
ある程度当たり前の行動ではあった。


しかし、そんな軽い期待以上のものを筆者は見ることになる。


今更もうその魅力を筆者が書くまでもないだろう。
あの中継を見て選手の投じる一投一投に心を奪われた人ならば
それはもう感じているはずだから。
元来競技が持っている魅力、
それを分かりやすく深く伝えてくれた解説及び実況、
そして何よりあれだけの熱くなる戦いを見せてくれた日本代表の姿。
これら全てが完璧な形で噛み合った。
その結果こそが今のムーブメントとなって現れたということなのだろう。
あとはこれを維持していくことが出来るか。


同じ過ちをもう繰り返してはいけない。


幸いマスコミは食い付いた。
中継の機会などが増える可能性だって出てくるはず。
そして、この競技の良さを知った人が増えたことが
必ず生きてくるはずである。