今日だけはホヤホヤさせて下さい。

恥ずかしい台詞連発なんで見たい人だけ見て下さい。(苦笑)
書いて見返して本当にでっかい恥ずかしいです。
でも後悔はしていない。(笑)


いつもより少しだけ早く目を覚ます。
始発に乗って出ようかとも考えたが、
それよりも体調十分で行った方が良いと考えた結果
到着目標を2時間前に設定し家を出る。


予定通り11:00頃に国立到着。
当日合流する予定だった知人の人はまだ千葉あたりということで
ひとまず先に入って席を確保する事にする。
ゴール裏は相当人が入っていたがこの時点ではまだ
上の方ならば空席もあり、適当に場所を確保して
知人の人を待ちつつピッチ上のアトラクションを見る。
ガチャピンを生で見たのは良い思い出。(笑)


12:00頃、知人の人合流。
これまでの思い出話に花を咲かせつつ気が付けば1時間。
ナビスコカップ決勝は1発勝負のため
大きな特徴として両チームのスタメン発表は
それぞれのチームのDJがやることになっている。
これがいつもとは違う独特の空気を作り出している。
この頃にはゴール裏だけでなくバックスタンドもほぼ満員。


選手入場。


アメージングレイスの大合唱とビッグフラッグ。
丁度真正面から太陽を受ける形となるホームゴール裏は
掲げられた黄色・緑・赤の画用紙を鮮やかな形で映し出す。


そして遂に運命のキックオフとなった…。


今週の千葉@国立ナビ杯決勝。
千葉 0−0 大阪脚。


前半はガンバが押す展開。
強力3トップを捕まえてはいるものの危険な場面も多く
冷や冷やしつつ過ぎていく45分。
攻めてもシジクレイが悉くチャンスの芽を潰していくため形が出来ない。
ただ、正直なところここは0−0ならば上出来というのは
今年の千葉のサッカーを見続けてきた者ならば共通認識。


壮絶な走り合いは確実にガンバの運動量を削っていく。
先に動いたのは千葉。
予定通りの攻撃的カード、工藤、林、水野を順次投入して前線を活性化させる。


流れは少しずつ、少しずつ千葉に傾き始める。


そして負傷の二川に変わり宮本が入った後半ロスタイム。


ガンバ、宮本、ロスタイム。


全ての条件は揃った。
右サイドからのセンタリングに合わせたのは巻。
その瞬間、ゴール裏が爆発する。
隣の知人と、周りのサポーターと抱き合って喜ぶ筆者。


この試合最大のハイライトが来た…筈だった。


思わず肩を組んだ前にいたサポーターが冷たい声で
「入っていない…。」
センターサークルにあるべきボールはまだガンバゴール前。
そのボールを藤ヶ谷が冷静にDFラインへ回している。
後で知った事実は巻のファウル。
そして落胆を覚えたままに90分の激闘を終える笛が鳴った。


試合は延長へ。
更に疲弊していく両チームの選手。
競り合いの後倒れ込む選手の姿が目立つ。
些細なインターバルは足を伸ばす事と水分を採る事のみに費やされる。
それでも走る事は止まらない。
切り替えの早いめまぐるしい攻防は傾きだした陽の光の下で最高の輝きを見せる。


このまま試合が終わるのが勿体無い。


声を必死に上げながら何故かそう感じていたのは筆者だけなのでしょうか。


だが時間は確実に刻まれていく。
120分の戦いの終わりを告げるホイッスルが晴天の国立に鳴り響いた。



PK 千葉 5−4 大阪脚。


PKとなった瞬間気にしたのはどちらのサイドでやるか、その1点だった。
ただその心配は審判団とカメラマンの動きですぐに解消される。
一団が動いた先はこちら側。そう、ホーム側だ。


唯一の心配が晴れてしまえば強い予感は徐々に確信に変わる。
偶然性が強いと思われがちなPKだが、そこに至る道程によって
偶然性というものはどんどんと削ぎ落とされていくというのが筆者の持論。
この日で言えば明らかに消耗度はガンバの方が強かった。


全てを乗り切ったキャプテンが、
途中交代で入ったまだ比較的元気な3人が、
そして最後の最後で仕事をきっちりと果たした若いストライカーが、
誰一人外すことなくゴールを決めた。


そして、千葉には立石がいた。


今でも思い出す。
まだ2月、グラウンドに霜が降りるほど寒い姉崎で
黙々と練習に打ち込む立石の姿を。
レンタルで福岡に行った時期を含め13年間、殆どをベンチで過ごしながら
決して腐ることの無かった背番号1の姿を。


結果としてこの日唯一のPKストップとなる1本目。
完璧な読みで防いだ守護神のこの大仕事で千葉に初めてのタイトルがやってきた。



もうここからは記憶が曖昧になっている。


ただひたすらに泣いていた。


13年、バカにされた時期が殆どだった。
残留争いに首を突っ込んでは踏みとどまりいつの間にか
残留への勝ち点計算だけが上手くなっていた。
それは本当に悲しいけど市原・千葉だった。


タイトルの味なんて知らなかった。


表彰式を終え音楽が流れる中、いつの間にか赤く染まった空と
いつの間にか入っていた照明に照らされ選手がウイニングランを始める。
それはこの時期に、この時間に行われるナビスコ杯決勝独特の空気。
ここまで辿り着いて初めて分かる最高の心地良さ。


ああ、あいつらこんないい気分をいつも味わってたのか…。




勿論これで終わった訳じゃない。
むしろこれからが千葉にとってのスタート。
だけど、この時だけはタイトルを取った喜びを全身で感じていたい。
そして気持ちを切り替えていこう。
あと5試合、もう一勝負大きな山が待っている。