それでも俺たちは戦った。

今更ながら海の日と気付いたこの日に向かった先は東京。
目的は千葉紗子嬢のライブ。
前日の夜行で東京入りしている友人と秋葉原で昼に合流。
適当に店を回り昼飯食った後もう一人の友人及びその弟と合流。
その後も店を適当に回る。
実は途中でアキバのメイド喫茶に行ってみるか計画もあったのだが
友人約1名が頑なに拒否したためあえなく断念。
#まあいい、また名古屋で行くだろうし。(何)
買うつもりだった駄目箱のTopSpinを購入し
ここで友人の弟とは別れ目的地の恵比寿へ向け山手線に乗りこんだ。



秋葉原から山手線に揺られること約25分。
これまた筆者には似合わないハイソ(やや死語)な街恵比寿に到着。
しかも今回の会場は恵比寿ガーデンホール。
そう、あの恵比寿ガーデンプレース内にあるホールなのだ。
どこまでもハイソな会場だが近くまで行くと人の空気は軽く一変。(笑)
どこかで見かけたような人の群れが見えてまいりました。


とりあえず開場まで間があるのでホール前で休憩。
始まるまでに一杯入れるということで近くで酒屋を探すと
そこはサッポロビールのお膝元、ちゃんとワインの店があった。
奥にさくさく入っていく友人、追う筆者。
するとビールが入った冷蔵庫発見。筆者も黒のエビスを購入し、
ホール前で3人で乾杯。(笑)


明らかに周りとは一味違う空気を醸し出しつつ盛り上がっていると
入場の案内がされたので入り口前に並ぶ。
今回はホールながら券が立見という微妙な状況で
立見券の客は指定の客とは別の入場となっていた。
係員に促されるままに会場に入っていくと、さらに係員が誘導を始める。
階段を上って連れていかれた先はホールの客席上の下手側スペース。
中央となる横にはPA、カメラ等の機材。
#反対側のスペースは関係者(同業者もちらほらいたらしい)。
最前列に並べる人間は15人程度のそのスペースに入った人は50人前後。(何)
前2列あたりを除き全く舞台が見えないというとんでもない立見席だったのだ。


そして運悪く筆者たちの整理番号は後ろの方。
つまりその全く舞台の見えない場所だったのだ。(苦笑)
友人の一人は入ると開口一番「これはひどい。」と言い完全に後ろに下がる。
最初は3列目くらいで人の頭の間を縫っていた筆者も
ある程度舞台中央が見える場所をもう一人の友人に渡し
開き直って後ろ(と言っても殆ど通路みたいなもの)に下がる。
ここまで下がると思いっきり跳んで舞台を確認する以外に舞台を見る方法は無い。
幸いその手のジャンプには慣れているのでなんとかいけるだろうという読みが
あったのも後ろへ退く決意を固める要因でもあった。


後ろを振り返ると諦めて入り口付近で座り込む人の姿が6、7人ほど。
途中でスタッフが明らかに見えないところに立っている女の子を一人
そこから連れ出し別のところへ移動させる。
おいおい、他にも見えないところに立ってる女の子いるのに一人だけかよ。
もっとちゃんと見て移動させてやれよと文句を友人と言ったりする筆者。
あとは改めて見えるかどうかジャンプしてみたりとかして開演を待つ。


そんな事をしているうちに15分遅れでライブが始まる。
やっぱり見えないものは見えない。(笑)
最初こそ何度か大きくジャンプして舞台を見ることに必死になっていた筆者だったが、
序盤にいきなり来たCarry meで方針転換。
雰囲気を楽しむことを優先し後方で余りあるスペースを生かして気分よく跳ねて踊る。(笑)
そして後方から盛り上がる曲はがんがん声をあげる。
それに乗ってくれる友人たちや他の見えないスペースの客の人と一緒に
見えない所にいるとは思えないくらいの盛り上がりを見せる。
そして中盤のMCやバラードのところはまったりと地べたに座り(笑)聴くことに集中。


久々の、しかもそれなりに大きな箱でのライブだったせいか
何度か音が外れる部分もあったし、MCも決めたことを話すことで精一杯という
いっぱいいっぱいの様子が見え隠れはしていたものの
全体を通して自分の出せるものを目一杯出そうとしている様子は
凄く良く分かったし、元来持っている魅力ある歌声は決して失われていなかったので
非常にこっちも気分良く聴くことを楽しませて貰った。
だからこそ観客はその曲その曲で形は違えど声援などで支えてあげることが
大事だと思うし、だからあの場所でも筆者は声を出す気になったわけだ。


後半、更に後ろで座っていた人たちは一人、また一人と扉から出て姿を消していた。
それでも最後方から声援を送る筆者たち。
盛り上がるところはさらにペースを上げ、
見えない人が一瞬でも見えるようにと友人が担ぎ出すと最後にはそれに加担(笑)。
#しかも最後はスタッフの見ている目の前でやってました。(苦笑)
アンコールもありったけの声で叫び、最後の最後まで
あの逆境の中でやれることは全部やり尽くした。


終演後、筆者や友人を含めあの場所にいたほんの5、6人と満面の笑みで
ライブの楽しさを分かち合う。
筆者をはじめ皆あんな状況下でも本気でライブに満足していた。
最後に立見席の最前列へ行く。


ああ、今日の舞台ってこうなってたんだ。(笑)


そんな単純な喜びを持ち帰り筆者はその場を離れた。

扉の先ではスタッフがポストカードを配布していた。
会場を出てからの様子を見ると恐らく立見席の客にだけの様子。
せめてもの罪滅ぼしとでもいうことなのだろうか。
確かにこの立見席は決して褒められるような代物ではないだろう。
実際に途中で会場を出た人の姿がそれを証明している。
もうこんな失策を犯して欲しくないと切に願うのは本音だし、
実際帰りに会場で恐らくあるであろう次のライブで
せめて指定席には座れるようにとFCに入会したのも事実だ。
#それがなくても入会はする予定だったのだが。(笑)


ただ、筆者はそれでもやるだけのことはした。
そしてそれに応えてくれるだけの演奏と歌声を彼女たちは出してくれた。
それだけでも今回のライブは最高だったと筆者は感じている。


本当にありがとう、そしてこれからも頑張れ千葉ちゃん。